東洋美人 一歩 おりがらみ

このお酒は特定名称を名乗っていない。山田錦の精米歩合が50%となればもはや純米大吟醸と呼んでもいいのでしょう!なのに「おりがらみ」。キレイなお酒にしたいのか雑味のあるお酒にしたいのか、実に複雑です。日本酒度も酸度も非公開。お米の種類もラベルには書いていないが、山田錦であることは突き止めた。(←いや、ネットに普通に表記してるんですけね…。)自分の舌で自由に飲んで楽しんでくれ!ってメッセージなのだろうか。それでは頂きます。

香りは純米吟醸らしい果実香。メロンのようであり、少し酸味のあるフルーツ感もあるが上品な香りです。実際、口に含んでもジューシーでフルーティー。大吟醸らしい優しく柔らかな甘み、旨味が口の中に広がり包み込んでくれます。そしてのど越しにはすっきりとキレてくれます。*さて「おりがらみ」感なのですが、「滓」特有の雑味のようなものはあまり感じなかった。ひさしぶりに大吟醸っぽい大吟醸を頂いた。ごちそうさまです。

槽垂れ(ふなたれ)を説明しておきます。搾りに使う槽から圧搾せずに、自然に垂れてきたものをそのまま瓶詰めしたお酒の事。「あらばしり」「しぼりたて」と表記されるものとほぼ同じと思っておいていいでしょう。個人的には「中取り」より「あらばしり」が好きです。

「IPPO」に込められた想い

2013年7月28日、豪雨で被災した際に貯蔵していたお酒が流され、古くからの家屋や貯蔵庫、お酒を造るのに大切な器具が浸水。同年の9月初旬に始めるはずだった新酒造りを前に壊滅状態に見舞われる。しかし各地の蔵元や販売店の人々が駆けつけ懸命な復旧作業。その努力により、年内に蔵の改築と酒の仕込みを再開することが出来るまで復旧。そして2015年、5月より販売を再開。そんな原点に戻った澄川酒造場。再び、はじめの「一歩」を歩き出す想いを込めて「一歩」シリーズが誕生しました。そして2018年、今年も「一歩」シリーズが飲める事に感謝です。

 

醸造元/株式会社 澄川酒造場
精米歩合/50%
使用米/山田錦100%
アルコール度数/16度
日本酒度/未公開
酸度/未公開

商品名/東洋美人 一歩 おりがらみ

◆せせりたれ焼

常に置いているので普通の部位なのかなぁと思っていたら、かなり希少な部位だったと知る。よく動く首の筋肉の部分で、身がとても締まっていて、それでいてもも肉よりも脂身が多いのが特徴で、弾力のある食感で、噛めば噛むほど肉汁がジュワーと出てくる。もしかしたら鶏肉で一番美味しい部位なのかも知れません。そんなこととは知らずに食べていました。どうりで美味しいはずです。もちろん「たれ」もね!

鶏、背肝たれ焼き

もちろん、タレで味付けはされているので、そのままでいただく。う〜んおいしー!一昔前は内蔵系は食べれなかったのに、大人になったなぁ〜(50超えてるけどね ♫ )そして、さらに美味しく頂くために、山椒を掛けさせて頂く。でもその辺のものだったらだめです。美山で採れた黒山椒で!と言いたいがさすがにない。が、山椒を掛けることで味が締まります。甘辛のたれにぴりっと感が加わります。

そして爽やかになった口の中を潤してくれるのが、「にごり酒」であります。しかも「赤磐雄町米」という雄町の中でも最上級ブランドの酒米であります。肴はなくてもいいぐらいの個性的なお味なのですが…。ちょっとミスマッチしてしまったか!まず、赤磐雄町を分けてもらえるってだけで、信頼されている蔵元だと言うことです。美味しいことに間違いは無いでしょう。さてお毒味させて頂きます。少し酸の香りがします。滓がらみ特有の酸っぱさと言えばいいのでしょうか!では口に含みます。おっ、微発泡だ!シュワシュワです。そしてキリリと辛口です。でも滓がらみの雑味は少なく、どちらかと言えば、マイルドでなめらか!なんか相対的なコメントですが、辛口なのにマイルドってどうなの?つまりは美味しいってことです。

*でもこのコメントを書いている時点でもう今年の分は終わっているのでしょうね!ごめんなさい!

醸造元/株式会社 土井酒造場
精米歩合/55%
使用米/赤磐雄町米100%
アルコール度数/17〜18度
日本酒度/+4
酸度/1.3

商品名/開運 無漏過純米 雄町 にごり生酒

◆かつおたたき チコリとかぶなめろう

いろいろ説明せねばなるまい。「かつおたたき」は「かつおのたたき」じゃなく「かつおをたたいたもの」つまり「なめろう」って事です。「チコリ」はキク科の多年生野菜。味は独特の強い苦みがあります。デトックス効果のあるハーブとして知られており、近年、ハーブティーやコーヒーにして飲むのが流行っているそうです。(←全く知らない!)タンポポコーヒーなら知っているのですが…。*ちなみに「チコリータ」はこの野菜をモデル作られたポケモンです。話を戻します。「赤かぶ」はプレーンなものをざく切り。←つまり漬け物じゃない生赤かぶって事です。これらを和えてます。けっしてなめろうの方法では作っていません。おまけに味噌も使っておらず、たしか塩麹にすこし味を加えているようなことを言っていました。料理名に偽りあり!ですが、味に偽りなし!です。いいお酒の肴です。

宮寒梅 純米吟醸45% 生酒 おりがらみ

新米の新酒。だけど雑味は無い。何しろ宮城県産美山錦を45%まで精米しているんですから。大吟醸と謳っても問題ないクオリティー。(僕はお店で飲んでいるので一本買いはしないのですが…)この限りなく大吟醸に近い純米吟醸が約3,000円と言うから驚き価格です。家飲みする人には朗報です。そして問題はお味です。答えは「美味しい」です。いわゆる「トライフォース」ってやつ。酸・旨・香のトライアングルが絶妙なバランスで均衡を保って仕上がっています。フルーティな吟醸香、米(45%精米歩合)の旨い所取り、綺麗な酸がのどごしを引き締めながら潤してくれます。

志すは「一杯で旨い酒」。

すべての原料米を宮城県産100%とし、中でも丹念に育てた自社栽培米、あるいは少数農家との直接契約米のみ使用。さらに全量とも純米吟醸以上の質で醸造。そのうえで技を尽くして米の旨味を最奥から引き出すこと。(*ラベルに記載された文章より)

製造元/合名会社 寒梅酒造
精米歩合/45%
使用米/宮城県産美山錦100%
アルコール度数/16〜17度
日本酒度/+3.0
酸度/1.5

商品名/宮寒梅 純米吟醸45% 生酒 おりがらみ

 

◆野菜料理三種盛

究極の食中酒「伯楽星」

伯楽星を飲んでおけば、まず間違いないです。高いレベルでの安定した味を提供してくれます。フルーティな香り、吟醸香ってやつを香りながら、キレのある酸味が喉をやさしく刺激してくれます。辛口酒と言って良いのかなぁ?あと、新酒だけあって少し微発泡感があります。口開けならもっとシュワシュワしていたかも知れませんが…。*たまたま最後の一杯をいただいた為か、結構、渋みのある濃厚な酸味がありました。本当なら上澄み部分だけを味わって滓がからんだものとを飲み比べてみたかったのですが、残念。ただ、この喉越しが食を引き立てているんだと思います。飲み飽きしない良いお酒です。「伯楽星」

酒蔵のコメント
フレッシュな搾りたての味を皆様にお届けできるよう、搾ってから速やかに出荷する限定の「生酒」です。「究極の食中酒」を意識し、一層食材を引き立てる事・綺麗で爽やかなキレを演出する事を大切にしています。繊細ながらも芯のある味わいをお楽しみ下さい。←との事。伯楽星はフルーティな香りはするのですが、けっして甘い味でないところがいいですね。

ところで下の写真でお酒の蓋を撮影。これは何をイメージしているのでしょう?「松?」愛宕の松ってことでいいのかな?*愛宕の松は新澤醸造店さんのもう一つの銘酒であります。「伯楽星」が「究極の食中酒」にたいして何なのでしょう?分かったらどこかで書きたいと思います。

製造者/株式会社 新澤醸造店
精米歩合/55%
使用米/宮城県産蔵の華100%(らしい)
アルコール度数/16度
日本酒度/+4.0
酸度/1.6

商品名/伯楽星 純米吟醸 おりがらみ生酒

 

◆無題

ちょっと見た目がアレですが、美味しかったです。

竹雀 -take suzume- 純米直汲み生

岐阜県産の「五百万石」を搾ったまま一切手を加える事無くそのまま瓶詰めしたうすにごりの純米酒。甘みは控えめです。「五百万石米」は淡麗でスッキリした味わいに仕上がるのが特徴なのに、米の旨味の乗った味わい深い一本。滓の雑味がいい感じに旨味を引き立てている。のど越しには爽やかでキレイな酸味が味わいを引き締めてくれる。大人のサイダーだ。やはり搾りたてはうまいね!*このお酒の情報として「搾ったまま一切手を加える事無くそのまま瓶詰め」とある。これは無濾過生原酒ってことでいいのでしょうか?アルコール度数も高いのできっとそうなのでしょうね。うん、そういうことにしておこう!

醸造元/大塚酒造 株式会社
精米歩合/60%
使用米/富山県五百万石100%
アルコール度数/17〜18度
日本酒度/+6.0
酸度/2.0

商品名/竹雀〜たけすずめ〜純米直汲み 生

 

喜楽長 特別純米 あらばしり

【蔵元からのコメント紹介】豊かな果実香と優しい米の甘みが質感のある味わいを織りなしています。新酒生酒のフレッシュ感、おりがらみの味のふくらみとともにお楽しみください。*おりがらみとは、しぼった時に出る白いにごりのことです。

↑いやぁ、その通りです。個人的な感想を付け加えるならば、喜楽長はあまり特徴が無いです。思い出そうとして出てくるのは「たしかぁ、ふつうに美味しかったよな!」って言葉です。あらばしりなのに雑味や苦味はあまり感じなかった。ちょっと辛口酒。「ふつうに美味しいやつ」です。来年もきっと「ふつうに美味しい」んでしょうね。

醸造元/喜多酒造 株式会社
精米歩合/60%
使用米/山田錦(麹米) 吟吹雪(掛米)
アルコール度数/17度
日本酒度/+2.3

商品名/喜楽長 特別純米 あらばしり

◆ひらまさ(だったかな?)柚子からし酢味噌和え

辛子酢みそのがツーンと鼻こうををくすぐります。ねっとりとした食感で脂ののったひらまさもさっぱりと頂けます。柚子も良いアクセントです。

◆いかの天ぷら(紋甲いか)

イカの甘くて柔らかいこと!唇で食べられます。味付けは塩のみ。

しいたけしろねぎとりそぼろたまご

魔法の言葉「しいたけしろねぎとりそぼろたまご」

どういう呪文効果があるのかというと、鉄鍋で椎茸と白ネギと鶏そぼろに火を通し最後に上等な卵をのせた、もうほとんどすき焼きと言っていい美味しいものが頂ける呪文です。悩みどころは卵を崩して、すき焼き風に食べるべきか、半熟になるまで火を通して一気にちゅるっとすするべきか。答えは卵を崩して玉子とじのようにして頂きました。底に残った汁を全部食べるには最後ごはんで「おじや」にして頂くのがベストなのでしょうが、残念ながらご飯が無く、あきらめました。

伊賀の酒 三重錦 純米吟醸 中取り おりがらみ

女性を意識しているのかジャケットがスタイリッシュで可愛らしいデザインです。お味の方も軽くフルーティ(メロン系)な香りがあり、口に含むと爽やかなフレッシュ感でぴちぴちした微発砲があります。ほどよく癖のあるコクとおりがらみらしい苦味もあり、日本酒好きが満足できる味わいです。何杯でもお代わりしたくなる食前&食中酒だと思います。もちろんこのすき焼き風にも合います。

少しフシギがあります。下の写真に精米歩合の欄があるのですが、掛米が雄山錦60%山田錦52%とあります。ところがネットで同じお酒を見ているとすべて八反錦と記載されているのです。たしかに雄山錦を使った「純米うすにごり生」もあるのですが、それはあきらかに別のお酒です。もしかしたら蔵元さんがおなじうすにごりなので間違って雄山錦のはんこを押してしまったのかな?でもインスタでどうどうと写真をあげているので、間違ってないのか??どっち!!

醸造元/仲井仁平酒造場
精米歩合/麹米:山田錦50% 掛米:山田錦52%・雄山錦60%
使用米/山田錦+雄山錦100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+5

商品名/三重錦 純米吟醸 中取り生 おりがらみ

さば炭火焼きとUFO

何も言う事は無い。焼きさばです。←ひらがなで書くとなんか「焼きそば」っぽいね。ふっくらぷっくり肉厚です。それを炭火で焼いています。備長炭だったかどうかは確認していませんが、遠赤外線効果で良い焼きっぷりに仕上がっています。さばは福井の若狭産かな?鯖街道を通ってやってきた(かどうかは分からない)。

食べ方ですが、まず骨を外す。その骨周りに付いた身がまた旨い!骨に沿ってしがしがした後は、邪道だとは思いますが、皮部分を頂きます。見た目が悪くなってしまうのですが、焼きたての皮はぱりぱりしており、そのぱりぱり感を楽しめるのが、最初の時間だけなのです。う〜ん、美味しいぃぃぃ!そして大根おろし。これはお願いして辛味大根をすり下ろして頂きます。醤油をかけると辛味が増して更にうまし!*注意!ポン酢をかけるとなぜか辛味が弱まりますので気をつけて!辛味大根で口の中が通常の2.5倍は爽やかになります。口の中をリセットしたら、いよいよ本番です。

鯖をほぐし「パクリっ」ジューシー!オイシー!ウレシー!の三位一体攻撃です。口に拡がる旨味を再び辛味大根で中和してもいいのですが、ここで登場するのが、「UFO」いえ「ゆうほのしろ」石川のお酒です。もう有名ですね。ゆうほのにごりと言えばピンク色の「花さかり」の方を思い浮かべるかもしれませんが、「花さかり」は春のお酒です。もうしばらく待ちましょう。

さて「ゆうほのしろ」ですが、もちろん微発砲でシュワシュワです。遊穂らしい麹の香り、酸と旨味が膨らみのある味わいを醸し出しています。そこに炭酸ガスを含むフレッシュな味わいとキレの良い後味、心地よい香りと爽快感の余韻が楽しめます。新酒で口開けだったためか一口目は雑味&苦みを感じましたが、これは新酒にありがちな「ご愛嬌」としましょう。*本当なら滓の沈んだ状態の「上澄み」部分と滓の混ざったものを飲み比べたかったのですが、すでに混ぜてしまっていたので残念。注がれたグラスで沈殿するのを待つまでの忍耐力も無いので、混ざったもので納得せざるを得ない。情報だけでお伝えすると「滓が混ざる事で甘みと旨みが増し、酸が穏やかになる」←そうな。ちょっと酸が弱く感じた。よく考えるとその前にさばを頂いている。この相乗効果なのか甘みと旨みが際立ったのかもしれない。

答え。

美味しい肴と美味しい酒はその時間を楽しくさせてくれる。ああ永遠に続けば良いのにぃ♬

醸造元/御祖酒造 株式会社
精米歩合/麹米:60% 掛米:55%
使用米/五百万石25%、能登ひかり75%
日本酒度/+5.6
酸度/2.4
アルコール度数/17度

商品名/ゆうほのしろ 純米生原酒 おりがらみ

キンキとガンギ

◆キンキの一夜干焼き

読んでそのまま、一晩干したものを炭火で焼いたものです。一夜干しですでに旨みを閉じ込めているいる上に、さらに、炭火で焼くことで旨みが2重に閉じ込められ、濃厚で絶品です。食感はプリプリです。お箸で押しただけでは身はほぐれません。ぎゅっと引き締まっています。これであと皮がパリパリしていたら完璧なのですが…。すべてを立ち飲みで450円に求めるのは贅沢です。唯一の欠点は時間が掛かることです。20分ぐらいかなぁ?焼けるまで待つなんて出来ないので、別品を。

◆わた持ち丸干いか焼き

これはダメなやつです。本当に困ったやつです。酒がっ、酒が進んでしまいますぅー!これだけで日本酒3杯は行けます。って実際に3杯飲んだのですが、飲んだ日本酒は次回に載せたいと思います。(ちなみに写楽出雲富士

わたたっぷりです。丸干しなのに身がやわらかいのにもビックリ。お腹の部分をチューブのように押してワタを少しずつ出してはつまみ、お酒で清めます。少しずつ出してはつまみ、お酒で清めます。合間に身をかじります。少しずつ出してはつまみ、お酒で清めます。ほら、3杯は楽々飲めてしまうのですよ!本当にダメなやつですよ!!ぷはぁー♫

丸干と一夜干の違いって何?

たまたま干物だったので気になりました。一夜干しって言うのはたぶん(たぶんですよ!推測ですよ!調べてませんよ!)夜の間に乾燥させる事なんでしょうね。それも1日だけ。2日干したら「二夜干し」になるしね。で、天日干しって言うのが晴れた日の日中に乾燥させる事なのでしょう。じゃあ、丸干って何?

ちなみに徳島に行ったときに鳴門の灰わかめというのがありました。これは灰であくをぬき、そのまま天日干しをするとか言っていましたね。湯通ししないのでわかめの旨みや栄養素がそのまま閉じ込められるとか言っていたのを思い出した。実際、コリコリでめっちゃ美味しかった。今も造っているのかなぁ?十数年前に「最近はみんな造らなくなった」とか言っていたからなぁ。

で、丸干しって何?

 

おりがらみ秋熟

フレッシュと熟成の絶妙な中間点。ハーモニーと言っておこう。さすがは雁木です。「雁木に不味いものなし!」とはよく言ったものです。(←って自分で言っているだけです)

なによりおどろいたのが「おりがらみ」をわざわざ半年冷蔵熟成(ひやおろし)させるという発想。おりがらみの良さはお酒の新鮮で荒い部分「うすにごっていたり、微発砲していたり」を楽しむものなのに…。でもおりがらみの部分はしっかりと残っているから不思議。やるなぁ、八百新酒造。

 

醸造元/八百新酒造 株式会社
精米歩合/50%
使用米/山田錦(麹米)+西都の雫(掛米)*割合は不明
アルコール度数/17度

商品名/飛露喜 特別純米