篠峯 愛山 純米 無濾過生原酒

篠峯らしいお酒です。いや、千代酒造らしいと言うべきかな。洗練された酸味と愛山米ならではのしっかり感と上品な甘みがバランス良く味わえるお酒になっています。篠峯らしい細やかなピチピチ感も楽しめます。香りはあまり無かったような…。ただ微発泡感があるせいか、さわやかなマスカット的なものを感じた…気がする。口開け時とは違い瑞々しさの中にもしっかりとした旨み・甘みが口の中に広がります。その後に酸の波がやってきてのど元をキレて行きます。青っぽさや渋みはほとんど消えてました。こういう変化を楽しめるのも良いですね。

山田錦より粒が大きく、穂の背が高いため倒れやすく、栽培が難しく、一部の酒造しか手に入らなかった酒米「愛山米」。その兵庫県産の愛山米を66%精白。酒質が一番いいとされる「中取り」部分のみを瓶詰めしています。どおりで美味しい訳です。

醸造元/千代酒造 株式会社
精米歩合/66%
使用米/兵庫県産愛山米100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+5.0
酸度/2.1

商品名/篠峯 愛山 純米 中取り 無濾過生原酒

クエ花わさびとローストビーフ葱ソース

まさか幻の魚「クエ」が食べられるなんて!刺身で食べたかったが今回は「漬け」で花わさびと漬けたものを頂きました。分厚く切っていることもあり、食べ応えのあるもっちり感に花わさびのツーンとした辛味がひとつになってさっぱりと頂けます。さらにしっかり噛んでいると旨みと甘みがジュワーと口の中に広がっていきます。これはクエの脂がにじみ出ているのだろう。絶品です。ああ刺身で食べたかったぁ!でも漬けにしてもクエの存在感が出ているのはやはり幻の魚と言わしめるのだろう。

ローストビーフは赤身部分ですが、ジューシーで噛めば噛むほど肉の旨みと甘みがにじみ出てくる。単品だけでも美味いのですが、その上にピリッと辛味のネギソース。相対的でありながら口の中でみごとにマッチして行くのが楽しめる。もちろん辛味葱ソースだけをちびちびつまみながらお酒を飲むのも良しです。

◆松の寿 純米吟醸 “ひとごこち” 無濾過生原酒

硬度2の超軟水「高原山麓自家湧水」を仕込水として使用しているそうです。おーそれはすごい!と言いたいが、よく分からない。とにかく、柔らかく透明感のある酒質になっているようです。やっぱり軟水を使えばお酒も柔らかくなるのですね。

では個人的な感想と行きましょう。香りはほどほどの吟醸香。口に含んだ時の刺激は無かった。とろ〜んとした印象です。これが柔らかいって表現なのですね。無濾過生原酒だからもっと濃厚な重みを感じられるのかと思ったのですが…。アルコール度数も結構あるのですが…。これが「超軟水」パワーなのでしょうか。でも甘みと旨みのバランスは良いです。飲み終わりの、のど越しには酸によるキレはあります。飲み終わった感想はマイルドフレッシュって感じかな。*物足りないってわけでないのですよ、こういう優しさを追求したお酒も面白いなぁと思う今日この頃でした。

醸造元/株式会社 松井酒造店
精米歩合/55%
使用米/ひとごこち100%
アルコール度数/17〜18度
日本酒度/+3.0
酸度/1.75

商品名/松の寿 純米吟醸 無濾過生原酒

「いぬいしんいち」再び。

日本酒度が+15とかなりの辛口。まあラベルに「超辛口」と書いてあるので言わなくても分かるのですが、香りはほんのり香る程度です。飲み口はドライなのかと思いきや「一回火入れ」されているおかげなのか、意外と甘み・旨みのバランスがよく、落ち着いた味わいです。辛いだけのお酒ではありません。どんな肴でもかかってこーい!ってやつです。

おっと、自己紹介がまだでしたね。私の名前は「いぬいしんいち」です。飲み屋さんや酒屋さんで見つけたら大きな声で注文して下さい。「いぬいしんいちさんを下さーい!」って。

製造場/有限会社 大沼酒造店
精米歩合/50%
使用米/美山錦100%
アルコール度数/17度
日本酒度/+14.0〜15.0
酸度/1.8

商品名/乾坤一 超辛口 純米吟醸原酒 一火入

◆もち豚軟骨トロトロ煮

沖縄で言うところの「軟骨ソーキ」。「軟骨」と言ってももうトロトロなので唇でかみ切れます。本当ならビールなんですけど、超辛口の「いぬいしんいち」さんならピッタリ合う肴です。

Takachiyo 59 CHAPTER FOUR “HANAFUBUKI”

2018年も「ゴクタカ(59極taka)」シリーズがやって来ました。ってもう「CHAPTER FOUR」まで進んでいるのですが…。まあ、毎日飲み屋に行ってるわけでは無いので仕方がない。お店もすべての「ゴクタカ」シリーズを置いている訳ではないので、どうしても飲みたければ自ら一本買いをしないといけない…もちろん出来ない!で、頂いたのは第4弾「Takachiyo 59 HANAFUBUKI」です。青森の酒米「華吹雪」を扁平精米59%まで磨いたものを使って純米吟醸で醸造された生原酒。「扁平精米」については以前の「Takachiyo 59 AI-IPPON」でちょこっと書いていますので是非。要するに「お米の美味しいところだけ残す削り方」って事です。それでは感想をちょこっとだけ。

最初にフレッシュで華やかな香りあり。でも一口目に旨みの中に苦みが顔をのぞかせる。嫌いではないが「ゴクタカ」シリーズでは初めてかも知れない。過去に飲んだものは旨みが勝つような口当たりなのですが…。2口目は少し口の中で転がしてみた。口の中が慣れたのか旨みがどんどん前にやって来た。このお酒は冷やしすぎないほうが良さそうです。よくお米の旨みの余韻を引き出すのは苦みや渋みだと聞いたことがある。この「HANAFUBUKI」はまさしくそれなのだと思った。あとに尾を引く「旨み」なのです。もちろんのど越しもしっかりと強めの刺激ある「キレ」が鼻へと抜けて行きます。どんどん好きになる美味しさです。口開けを頂いたが2日目、3日目くらいが一番美味しくなるのではないでしょうか?(無くならなければの話ですが…。)

*暖色系の照明の下で撮っているのラベルがオレンジ色っぽくなっていますが、どピンクです。メタリック・ど・ピンクです。今年は何杯「Takachiyo 59」シリーズ飲むことが出来るのでしょうか!頑張ります!!

製造元/高千代酒造 株式会社
精米歩合/扁平精米59%
使用米/青森県産 華吹雪100%
アルコール度数/16度
日本酒度/+2.0
酸度/1.5

商品名/Takachiyo 59 CHAPTER FOUR HANAFUBUKI 純米吟醸生原酒

 

◆国産たけのこと手羽の山椒煮(仮)

それはもうしっかり煮込まれており、鶏は骨からほろほろとほぐれていきます。手羽先の先までキレイに食べれます。山椒のピリッとした味付けが食欲を刺激していくらでも食べれてしまいます。「Takachiyo 59」に合うかどうかは別にして絶品です。あとに残るのは骨のみです。ここで一句

「煮た鶏の ほろほろと崩す 身を食せば 父かとぞ思ふ 母かとぞ思ふ」by 行基

帰ってきた!長珍 新聞紙シリーズ

上から読んでも、下から読んでも「しんぶんし」シリーズの2018年バージョン。今回は「純米60【生】無濾過」です。新聞がハデだ!たまたまなのでしょうが、なんかワインのようだ。味の方は…。さすがは「長珍」と言わざるを得ない。濃厚です。純米ですが、メロン果汁のような吟醸香が少し香ります。が、若さも感じ、若干渋みのような苦みがあるのですが、それが旨みの余韻に繫がっているのでよしとしましょう。のど越しの爽やかな酸もありますが、ちょっと熟成感が勝っているようです。今回は芳醇感を楽しもう!!

注)このお酒のセールスポイントでもパスタで日本酒を!ってコピーではありませんよ!単なる中日新聞の広告です。でもある意味広告主は2度、広告を打っているようなもんなのでお得ですよね!でもちょっとボロネーゼで日本酒を飲んでみたくなった。「長珍」ほど個性的で濃厚なお酒ならボロネーゼも美味しく頂けそう!

新聞に載っていた商品を調べてみた!レガロの「ホロネーゼの真実」

醸造元/長珍酒造 株式会社
精米歩合/麹米:兵庫県産山田錦60% 掛米:広島県産八反錦60%
使用米/山田錦・五百万石
アルコール度数/18度
日本酒度/非公開
酸度/1.9

商品名/長珍 しんぶんし60五百万石 純米生原酒

浅芽生←さぁ、なんと読もう!

無圧無濾過生原酒、酒袋に入ったお酒の重さだけで搾られたお酒。いわゆる「あらばしり」ってやつですね。すでに半分減っている。出来れば口開けが吞みたかった。あらばしりの開けたてはアルコールにカドがあり、ドライで雑味も楽しめる。それから4、5日経ったものを頂くと丸みが出てきて「おっ結構変化したなぁ」って、2度楽しめるのです。

それでは頂きます。香りは結構あります。華やかな感じとドライな感じもします。口に含む…意外とフルーティ!もっと酸っぱいエチル感かと思ったが、かなり落ち着いている。メロンの果汁のような甘さが口の中に拡がる。もうジュースです。プチプチ感もあるので、サイダーです。ラムネです。ただ甘いだけのラムネではありません。飲み込むと同時に辛味とキレキレの酸味が襲ってきます。後味はさっぱりとした苦みなのか渋みなのか余韻が残ります。柑橘系のフルーツを食べた後の余韻に似ているのかも。もう肴は要らない。これはデザートだ!でも食べます。何かを無理矢理合わせます。シガラーとしては良いお酒の発見です。でも次は来年なんですよね!

製造元/有限会社 平井商店
精米歩合/60%
使用米/滋賀県産吟吹雪100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+3.0
酸度/2.0

商品名/浅芽生-アサヂヲ- 特別純米生原酒

 

◆伊勢赤鶏むねチャーシュー

コレ大好き!よく、たのみます。赤鶏むね肉は同じですが、添えてあるものが、タルタルソースだったり、みたらし餡だったり、今回のマヨマスタードだったりして味を変えて来てくれるのがすごく良いです。もちろんチャーシュー自体に味付けがされているので、何も付けなくても美味しく頂けます。さっぱりしているので、いくらでも食べれます。

鯵ヶ澤 しぼりたて 純米吟醸 無濾過生原酒

また知らないお酒を発見。いつも美味しいお酒をありがとうございます。「鰺ヶ澤(あじがさわ)」って名前から想像するとあまり美味しく感じないのですが、見事に裏切ってくれます。けっして魚臭くはありません。香りは穏やかではありますが、甘い国産蜂蜜のような芳香が立ちます。(うん、アカシアでは無く、間違いなくレンゲの蜂蜜とみた。ローズマリーでもラベンダーでは決して無い!)ウラのラベルを見ると日本酒度が+0.0とあるのでこれはまったりと甘ったるいフルーティな奴じゃないのかぁ!といやな予感。口に含むと意外!爽やかで艶やかな旨みが口の中に広がります。酸も低く、さらりと飲めてしまいます。後口のキレは上々。余韻にスイートな旨みを残して行きます。ただ18度とアルコール度数が高いので美味しいからと言ってぐびぐび飲むと後で足腰を持って行かれます。気をつけなはれ!

醸造元/尾崎酒造 株式会社
精米歩合/50%
使用米/青森産酒造好適米 華想い100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+0.0
酸度/1.7

商品名/鰺ヶ澤 しぼりたて 純米吟醸 無濾過生原酒

◆酒の肴2種

くえ花わさび」と「あおりいかうにゼリー」。「くえ」のもちっとして噛み応えのある食感が堪らない。それを「花わさび」が引き締めてくれる。鼻に突き抜ける爽快な辛みと独特の苦み、シャキシャキとした歯ごたえもたまりません。「あおりいか」が新鮮!唇で噛みきれるほどの柔らかさ。そしてまたあまーい!これはお酒がすすむ君です。

山形じゃないよヤマサンだよ!

まずは肴の紹介。「和牛ローストビーフ」。最近、このお店の定番になりつつある。霜降りのサシも少し入っているが、赤み部分のお肉。「まるしん」。赤身ですが、噛めばジュワーと甘い脂が滲み出てきます。サイコーです。いくらでも食べれます。わさびをのせて食べてもよし!塩だけでもよし!そして添えてある甘辛のたれもうまし!です。

◆ヤマサン正宗 純米吟醸 佐香錦 袋取り生原酒

「ザ・バランス」です。甘みだとか辛口だとか濃厚とか芳醇。飛び抜けて何かに特出しているわけではない。個性が無いという表現も出来るのですが、これは「バランス」が飛び抜けて良いお酒と言って良い。つまり「美味い」のです。爽やかな酸と柔らかいお米の旨みがやさしく広がります。

神々のふるさと出雲の里は、他の地方が神無月となる10月に、全国八百万の神々が集う神在月(かみありづき)となります。町はずれに酒造の大社(おおやしろ)、出雲松尾神社、別名佐香神社。神々が集って180日間に及ぶ酒宴を催したのはこの神社だと伝えられています。

酒持田本店は、その神社の御膝元で、140年に渡り出雲杜氏の技を継承してきました。
店舗・酒蔵のある通りは「木綿街道」と呼ばれ、古い町並みを今に残しており、建物は2017年に登録文化財に指定されました。

島根県産の酒米を自家精米し、優秀な出雲杜氏の腕で、麹(こうじ)はすべて手作り。蔵人は約半年間泊まり込み、夜も醪を気にしながら過ごしています。出雲の地の小さな蔵で造る、技と経験と感性の結晶が「ヤマサン正宗」を造り上げているのですね。

製造者/株式会社 酒持田本店
精米歩合/60%
使用米/佐香錦100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+2.0
酸度/1.5

商品名/ヤマサン正宗 純米吟醸 佐香錦 袋取り生原酒

南方熊楠、恐るるに足らず!

日本酒度+15のパワーを見せてみろ!ふふふ、どうした南方っ!その程度なのか!あの爆発的な日本酒度はどうしたのだ!お前ならやってくれると思っていたのに!残念だ!旨いじゃないか!ただただ、旨いだけじゃないか!期待はずれにも程があるぞ!米の旨味もしっかり出てるし、絞りたてらしいプチプチ感もある。確かに辛口だ!他の辛口に比べればダントツに淡麗で辛口ではあるぞ。喉越しに来るキレもキレッキレなのは認めよう!だが、その壁を越えてみろ!白くてはだめだっ!真っ赤に燃え上がるメタモルフォーゼで真の力を見せてくれーっ!ゴォォォォーコスモォー!

醸造元/株式会社 世界一統
精米歩合/60%
使用米/山田錦100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+15.0
酸度/1.7

商品名/南方 超辛口純米酒 無濾過生原酒

 

◆茶碗蒸し

茶碗蒸しラーの自分としては食べておかないといけない。端っこが固まってますが、そこ以外はトゥルトゥルで良い感じです。器はお酒の片口っぽいですが、味は王道の味付けです。三つ葉が良いアクセントになっています。鶏肉、椎茸、かまぼこ、百合根と定番の具もちゃんと入っています。あとゆずがちょこっと乗っていれば完璧だったのになぁ。定番と言っていますが、地方によって具も変わってくるんでしょうね!栗の甘露煮を入れるところがあるとか!!