異色のお酒,タクシードライバー

初めて飲んだのはいつの事でしょう?どこで飲んだかも定かでは無い。企画もので、キワモノ扱い、無許可で肖像権も取らずに、酒蔵の若手が遊びで作ったお酒なのだろう。ぐらいに思っていた。色は琥珀色、味も濃厚で辛口。当時は受け付けませんでした。ただ、このジャケットインパクトで映画の話になり、盛り上がった事を思い出す。そして二度と出会う事も無いのだろうと思ったものです。それがどうでしょう、こんなに世の中に受け入れられているとは!!

トラヴィスとアイリス

1976年公開、マーティン・スコセッシ監督の名作。ベトナム戦争と不眠症。正義と殺人、狂気、そして狂気。トラビスは偶然と度重なる幸運で英雄に祭り上げられる。これはハッピーエンドなのか?ラストシーンのフロントミーラーに映し出されるトラヴィスの眼に意味するものは!

日本酒「タクシードライバー」生まれたのは2005年。映画業界のデザイナー「高橋ヨシキ」氏との酒席での成り行きで口約束から生まれる。

そして最近、なんだかんだと毎年飲んでいるような気がする。癖になる味だったようだ。いや、それでも最初の頃は、「ほらぁ、やっぱり僕には濃すぎて無理やわぁ」と言いながら頼んでいた。今年はどうだろう?と言う気持ちで頼む。今年はさっぱりフルーティーかもしれない。いざ、試飲!「ほらぁ、やっぱり濃いわぁ♬裏切らんなぁ♪」「濃厚♥」「すごいなぁ!」「で、トラヴィスは最後どうなったん?」「ジョディ・フォスターってアイリスって名前だったかなぁ?」「クラリスと違ったっけ?」「それ羊たちの沈黙っ!」って感じで盛り上がります。

震災と喜久盛酒造

2011年3月11日。東日本大震災が蔵を半壊させてしまいます。沿岸部の津波被害は大きく報道されましたが、内陸部の被害も大きかったようです。「喜久盛酒造」でも瓦礫を撤去し、蔵の復刻を目指します。が、同じ被害でも沿岸部には補助金が出たのに対し、内陸部の北上市では補助金が下りなかったのです。そのため、自力で復興をする事になります。一からでは無くマイナスからの再スタートです。

いや、マイナスではない。だって「タクシードライバー」があるじゃないか!頑張れっトラヴィス!

 

醸造元/喜久盛酒造 株式会社
精米歩合/55%
使用米/岩手県産かけはし100%
日本酒度/+9.0
酸度/2.1
アルコール度数/17度

商品名/純米原酒 タクシードライバー 仕込み1號

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です