忠愛 中取り純米吟醸

栃木県 富川酒造の「忠愛-ちゅうあい-」。あまり関西では見かけませんが、数が仕込めるならかなり売れるお味。
無濾過生原酒の割りには酸味は少なく、とろみを感じる。まあいわゆる「いちごジュース」ってやつです。フルーティってやつですが、生原酒だけあって「ぐっ」と来るものはあります。美味しいからと言って飲み過ぎると危ないお酒。これは肴を選びますねぇ。いえ、アテなしの方がお酒の旨みを消さずに頂けそうです。なにか軽くお腹に入れてから飲んだ方がいいかも。空きっ腹には飲むと酔拳を発動するかも?!

今回は「中取り」純米吟醸ということですが、「中取り」って何?って疑問です。
たまに勘違いされている人がいるのですが、(自分のことです)醸造されたタンク(桶)の上澄みと底の部分を除いた真ん中辺りを酌んで樽詰めしたものと思っている人が居るみたいですが(だから自分ですって!)違います。←どうやってそんな真ん中だけを酌むことが出来ると言うのですかっ!!

改めて説明させていただきます。
まず基本として日本酒は醪(もろみ)を入れた酒袋を搾ることで、飲める日本酒になります。この搾る工程を3段階に分け、それぞれに名前を付けたもの、それが「あらばしり」「中取り(中汲み)」「責め」と呼ばれています。

あらばしりとは

「荒く搾る」つまり圧力をかけずに出てくる最初のお酒のことで、薄く白濁していてアルコール度数は低く、名前の通り、粗野でキレのある、フレッシュな味わいが特徴です。「うすにごり」や「活性微発砲」などと呼ばれて出回っていたりします。個人的にはこの部分が一番好きです。

中取り・中汲みとは

「あらばしり」がおわり次に搾られるお酒。あまり圧力をかけず、自然に流れ出てくるお酒で、透き通った色と香り、バランスが整ったお酒の中で最も良い部分とされています。わざわざ「中取り」と謳ったお酒は上等で貴重なお酒と言っていいでしょう。

責めとは

中取りが出切った後の圧力をかけて搾って出来た最後の部分のこと。あらばしりとは逆にアルコール度数も高めで、雑味も多く味も濃くなります。「責め」として一般に出回ることは無く、この3つが良い塩梅にブレンドされたものが通常のお酒となるようです。

今回搾り終わりに「責め」と言う呼び方があるのを初めて知りました。「責め」として世に出回ることが無いので当たり前なのですが、ちょっと飲んでみたいです。蔵見学とか行けば飲ませてくれるところもあるかもしれませんね。

*最近は「責め」としてのお酒も販売されてきているそうです。お酒を飲む層が広がってるのでしょうか。嬉しいことです。

せっかくなので調べてみました。

房島屋 純米吟醸 無濾過生原酒 山田錦 責め+おりがらみ
まんさくの花 純米吟醸生原酒「責めどり」
三芳菊(みよしきく)責めブレンド 残骸 無濾過生原酒
ヤマサン正宗 純米生原酒「責めver」五百万石
石清水 MARS 槽搾り《責め》
等々…。

もちろん他にもあるのでしょうがとりあえず…。

製造者/富川酒造店
精米歩合/50%
使用米/美山錦100%
アルコール度数/16〜17度

商品名/忠愛-ちゅうあい- 中取り純米吟醸 無濾過生原酒