枯れ木に花を咲かせましょう

春、桜の季節になるとやって来る「花さかゆうほ」ピンク色の遊歩であります。「あ〜花見の季節なんだなぁ」とピンクラベルから四季を感じています。まあ花は見ないんですけどね!もうすっかり定番になってしまいましたね。でもこのお酒が出た頃はまだうすにごりでシュワシュワしたお酒は珍しかったんですよ!微発泡って言葉もまだ無かったと思う。そして石川のお酒にしては生酛っぽくなく、とてもすっきりと飲みやすいお酒なのです。

さて今年の遊歩はどんなお味?ってまぁ毎年、ほぼ同じテイストに仕上がっております。さすがです。ちょっと講釈をたれておきますね。麹米に兵庫県産山田錦、掛米に長野産美山錦を用い55%精米。(←滓による雑味感が残るのでこんなに磨かなくてもいいのにぃって思ってしまいます。)霊峰「石動山」の伏流水を仕込み水に丁寧に仕込み、滓を含んだ絞りたて状態でそのまま瓶詰めした純米吟醸で無濾過生原酒のうすにごりです。上品な果実香で、飲み口は甘みは控えめで酸が主張する濃厚旨口で、舌とのど元を心地よく刺激してくれる微発泡です。後口は酸が効いたキレのある爽やかで爽快感を残しながらも、滓による雑味が余韻のある旨味を引き出してくれています。間違いの無い春一番のうすにごり酒です。

製造者/御祖酒造 株式会社
精米歩合/55%
使用米/麹米:兵庫県産山田錦25% 掛米:長野県産美山錦75%
アルコール度数/17度
日本酒度/+6.0
酸度/2.0

商品名/遊穂 花さかゆうほ 純米吟醸 無濾過生原酒 うすにごり

 

◆ミートローフ

よく聞く名前ですが、どんな料理か全く知りませんでした。ミートローフと言えばアメリカのロックシンガーぐらいしか分かりません。「地獄のロック・ライダー」です。トッド・ラングレンプロデュースの迷作?です。音的には文句なしに素晴らしいのですが、ビデオクリップがショボくて失笑もんで逆におもしろいので是非、ユーチューブ等でチェックして見て下さい。まあ70年代のビデオクリップなので仕方が無いのですが…。失笑です。いや、必見です。

話がかなりそれました。食べる方のミートローフですね。ミートは挽肉。ローフは古英語のパンが語源で、それが転じて長方形のパン形状をオーブンで焼くことをローフと呼ぶようになったそうな。ハンバーグのように油を使って焼いていないので割とアッサリしたお味になっています。もちろん、日本酒のお店なので、日本酒に合うようにアレンジもされているようです。上から掛かっているソースはグレイビーソースなのだろうか?とにかく、美味しかったとだけ報告しておきます。

天狗舞 冬吟 純米吟醸生酒

天狗舞と言えば「山廃」ってぐらいに山廃らしいお酒を造ってきました。その天狗舞が山廃酛を用いず、速醸酛で醸造。姉さん、事件です!ラベルの霞がかった淡雪のように上品ですっきりした吟醸香と旨味。喉ごしにはきっちりとキレも味わえます。気のせいか山廃の濃醇さがあるように思えてきます。(←まあ純吟で生だしね)

透明なお酒の中の「おり」を、しんしんと舞い降りる雪を演出しているかのように美しい。(←でも勝手に瓶を振ると怒られるので出来ない!)

あらためて説明「山廃酛」と「速醸酛」

酵母を大量に培養するために造られる「酒母(酛-もと-)」この「酛」を造る時に必要になるのが「乳酸」。この「乳酸」が雑菌に弱い酵母を守る役割をしてくれます。その「乳酸」を造る工程の違いが「速醸系【酛】」「生酛系【酛】」に分かれます。

◆速醸酛(そくじょうもと)

酒母を造るとき、麹・掛米・水に市販された純度の高い醸造乳酸を加えるだけで安定した品質の【酛】を造ることが出来ます。*現在、広く使われている製法です。淡麗型のお酒に適している。

◆生酛(きもと)

乳酸が自然の乳酸菌から生まれるのを待つ、昔ながらの製法。室町時代から受け継がれてきた、「半切り桶」という平べったい桶に、麹、蒸し米、水を加え、櫂棒ですりつぶす「酛擦り(山卸し)」を行います。この作業で菌の増殖と絶滅が繰り返され、最後に酵母だけが生きられる乳酸の中で、爆発的に増殖します。この生酛造りには30日近くの時間を要し、作業は一定の低温状態での高度な技が必要とされる。そのため極寒の夜から明け方に掛けての過酷で重労働な作業だったようです。*各種の微生物が作り出す複雑な香味が加わり、濃厚で芳醇なコシの強いお酒になります。

◆山廃酛(やまはいもと)

生酛系酛の一種。麹と蒸し米、水を加え、櫂棒ですりつぶす「酛擦り(山卸し)」が行われていましたが、麹の酵素が米を溶かすと言うことが判り、この「山卸し」の作業を省略した製法。「山卸し」を「廃止」すると言うことで「山廃」と呼ばれています。*これも生酛同様、濃厚で芳醇なお酒になります。

醸造元/株式会社 車多酒造
精米歩合/50%
使用米/五百万石他
アルコール度数/16度
日本酒度/+2

商品名/天狗舞 冬吟 純米吟醸生酒

 

さば炭火焼きとUFO

何も言う事は無い。焼きさばです。←ひらがなで書くとなんか「焼きそば」っぽいね。ふっくらぷっくり肉厚です。それを炭火で焼いています。備長炭だったかどうかは確認していませんが、遠赤外線効果で良い焼きっぷりに仕上がっています。さばは福井の若狭産かな?鯖街道を通ってやってきた(かどうかは分からない)。

食べ方ですが、まず骨を外す。その骨周りに付いた身がまた旨い!骨に沿ってしがしがした後は、邪道だとは思いますが、皮部分を頂きます。見た目が悪くなってしまうのですが、焼きたての皮はぱりぱりしており、そのぱりぱり感を楽しめるのが、最初の時間だけなのです。う〜ん、美味しいぃぃぃ!そして大根おろし。これはお願いして辛味大根をすり下ろして頂きます。醤油をかけると辛味が増して更にうまし!*注意!ポン酢をかけるとなぜか辛味が弱まりますので気をつけて!辛味大根で口の中が通常の2.5倍は爽やかになります。口の中をリセットしたら、いよいよ本番です。

鯖をほぐし「パクリっ」ジューシー!オイシー!ウレシー!の三位一体攻撃です。口に拡がる旨味を再び辛味大根で中和してもいいのですが、ここで登場するのが、「UFO」いえ「ゆうほのしろ」石川のお酒です。もう有名ですね。ゆうほのにごりと言えばピンク色の「花さかり」の方を思い浮かべるかもしれませんが、「花さかり」は春のお酒です。もうしばらく待ちましょう。

さて「ゆうほのしろ」ですが、もちろん微発砲でシュワシュワです。遊穂らしい麹の香り、酸と旨味が膨らみのある味わいを醸し出しています。そこに炭酸ガスを含むフレッシュな味わいとキレの良い後味、心地よい香りと爽快感の余韻が楽しめます。新酒で口開けだったためか一口目は雑味&苦みを感じましたが、これは新酒にありがちな「ご愛嬌」としましょう。*本当なら滓の沈んだ状態の「上澄み」部分と滓の混ざったものを飲み比べたかったのですが、すでに混ぜてしまっていたので残念。注がれたグラスで沈殿するのを待つまでの忍耐力も無いので、混ざったもので納得せざるを得ない。情報だけでお伝えすると「滓が混ざる事で甘みと旨みが増し、酸が穏やかになる」←そうな。ちょっと酸が弱く感じた。よく考えるとその前にさばを頂いている。この相乗効果なのか甘みと旨みが際立ったのかもしれない。

答え。

美味しい肴と美味しい酒はその時間を楽しくさせてくれる。ああ永遠に続けば良いのにぃ♬

醸造元/御祖酒造 株式会社
精米歩合/麹米:60% 掛米:55%
使用米/五百万石25%、能登ひかり75%
日本酒度/+5.6
酸度/2.4
アルコール度数/17度

商品名/ゆうほのしろ 純米生原酒 おりがらみ

加賀鳶 参上!

冬季限定!力強さと飲み応え抜群のしぼりたて新酒

↑蔵元さんの売り文句をそのまま記載してみました。果たしてそのような味が楽しめるのでしょうか!加賀鳶(かがとび)極寒純米無濾過生原酒を検証してみましょう。(←偉そうに!)

まずは、香りを嗅いでみる。うん、お米のいい香りがちょっと香りますね。口に含むとふわっと甘みが広がるのですが、すぐに酸味を感じキレッキレの後味が喉元を通り過ぎていきます。これは「クーッ」って感じです。ザ・辛口酒です。もっと芳醇なのかと思いきや新酒らしい軽やかさと舌の奥に少々の苦味も感じます。ただ2口目、3口目には辛さに慣れてきたのか濃厚な旨みがわかるようになります。少し舌で転がすと旨みがよくわかります。ただ喉ごしは「クーッ」ってなります。複雑に味が絡み合ったグッドな奴です。どんな肴にも負けないお酒と言っていいでしょう。ただ、アルコール度数が18度もあるので、気をつけましょう。

よく見ると「中汲み」とある。これは結構するお酒なのじゃ無いかとおもったが、肩書きの割にはお安く飲めるので驚く!これはお得ですよ!

極寒純米とある。これは低温発酵でじっくりと仕上げた純米酒を濾過すること無くしぼりたてをそのまま詰めたもののようである。つまり常に低温をキープできる環境を造れるという事なので、この蔵は「四季醸造蔵」なのかなと勝手に解釈してみる。違ったらゴメンなさい。

「加賀鳶」について

江戸の昔、加賀藩お抱えの大名火消し加賀鳶は、面た くましく、力あくまでも強く、火消しの技と、喧嘩早さは天下一品。賑々しくも勇ましく、粋な集団として江戸八百八町の人気をさらっていました。そんな加賀 鳶の粋の良さを表現したのが、歌舞伎の出しもの『盲長屋梅加賀鳶(めくらながやうめがかがとび)』。加賀鳶と江戸の町火消しとのケンカがらみの、江戸の人 情や風俗を生き生きと表現した河竹黙阿弥のヒット作です。長半纏に染め抜かれた雲に雷をモチーフにした「加賀鳶」のロゴマークは、加賀鳶連中の心意気と地 酒の力強さを表しています。*本文はHPから引用しています。

 

醸造元/株式会社 福光屋
精米歩合/65%
使用米/全量契約栽培米・酒造好適米 国産米100%
アルコール度数/18度
日本酒度/+7

商品名/加賀鳶 極寒純米 無濾過生

 

◆皮付きカリカリ豚バラゆずこしょう酢