竹鶴 秘傳 純米清酒

「秘伝」とあるが、竹鶴の定番のお酒だそうです。ラベルは横山大観。ラベルがパノラマになっている。くるくる回して、眺めながら飲むのも乙。それでは早速、頂きましょう。このお酒は常温で頂きます。色は琥珀色の憎いやつ!純米酒らしい香り、昭和の二級酒っぽい香りです。なんだか懐かしさすら感じる。味は柔らかく、いい塩梅でコクがある。純米酒らしいお米の旨味を味わうと軽快な酸味の波がやってきます。ざっぶーん!後味スッキリです。いわゆる辛口酒。余韻を楽しもうと舌で遊んでいるとほんわりと米の旨味の「残り味」が舌の奥で感じられます。いや広島のお酒なので「西条酒」と呼ぼう!

これは「THE・純米酒」です。今回、ちょっと勿体ぶったコメントをしましたが、このお酒に評価はいらない!ただ、飲んで、肴食べて、また飲んで、「おいしー!」って言うだけで満足の出来るお酒なのだと思う。

竹鶴と言えば「マッサン」こと竹鶴政孝。そう「日本のウイスキーの父」と呼ばれる人物を思い出すんじゃないでしょうか?ニッカウヰスキーの創業者であり、サントリーの始祖。*ちなみにですが、ニッカって元は大日本果汁って名前なんですよ!サントリーは鳥井伸治郎の「とりい」から名付けられているんですって!鳥井さんはマッサンで言うところの堤真一さんです。うわ、何を書いているのか判らなくなってきた!それではこの辺で…。

↑これ何て書いてあるのかなぁ?

 

醸造元/竹鶴酒造 株式会社
精米歩合/70%
使用米/八反錦100%
アルコール度数/15〜16度
日本酒度/+15?

商品名/竹鶴 秘傳 純米清酒

 

ひねる!秋鹿 純米酒 槽搾直汲

写真に写っている製造月日を見て頂くと判りますが、7月出荷のお酒である。今はもう11月。どれだけ売れ残っているか判って頂けるでしょう。いや売れ残っている訳では無く、お店のマスターが「これはあかんっ!ひねてる!おすすめできない!」っと飲ませてくれないのである。もちろんそう言うのが好きな人にはお断りを入れて飲ませているのですが、山廃やひやおろしが苦手な自分には飲ませてくれないのである。なので、3ヶ月以上も冷蔵庫の隅で眠っていたのです。が、奇特なお客さんのおかげでようやく残りわずかとなり、お店も終わりの時間になり、少量を飲ませて頂く事が出来ました。

確かに「ひねてる!」

が、飲めない事は無い。好きでは無い。酸味にヨーグルト感が出てしまっている。何か肴がほしいが、もう厨房の火も止めているし、お腹もいっぱいなので、どうしよう!と思案しているとチーズを出してくれた。しかもよりによって「ブルーチーズ」。更に賞味期限切れ。が、たかが賞味期限切れである。消費期限なら危ないが、賞味期限なら味が落ちているだけなのだ!そして頂く。

なんてことでしょう!(←劇的ビフォアアフター風に!)このひねた「秋鹿-八反錦-純米槽搾直汲」が劇的に旨く感じるのです。ひねた部分がブルーチーズによって中和されて、その奥に閉まってあった芳醇な旨みが「こんにちわ」して来ました。「やぁ!秋鹿さん。こんにちわ!邪険にしてごめんなさい!3ヶ月以上も無視してゴメンね!」ようやく和解できました。良いお酒です!そしてサポートありがとう!賞味期限切れのブルーチーズ!賞味期限になるまで食べなくてごめんね!

 

速醸酛とは?

話は変わりますが、ラベルを見ていてふと気になったのですが、「速醸酛」って何?って事でちょっと調べました。

結論から言いますと、酒母を造るための製法のこと。現在行われている酒造の大半はこの製法で造られているという事です。なので表記されていない事が多くそれ以外で造られているもの表記する事が多いですね!

大きく分けて「生酛」「山卸し廃止酛(山廃)」と「速醸酛」の3つ。

その前にまず「酒母」について説明しておきますね。「酒母」とは日本酒を醸造するために、蒸した米・麹・水で良質な酵母を培養したもの。この酵母がアルコール発酵時に発生する雑菌の増殖を防ぎ、美味しいお酒にしてくれるのです。

生酛造り

江戸時代から受け継がれてきている伝統的な方法で、天然の乳酸菌を利用して乳酸を発生させ、雑菌を抑えながら酵母を増やしていく山卸し製法で造ります。酒母造りには極寒の夜から朝にかけて作業をしなければならず、重労働で1番手間暇がかかります。酒母造りに一ヶ月以上を要します。
特徴として…濃厚な旨みとキレのある飲み口を味わえる。

山廃酛造り

技術革新が進み、生酛造りで1番大変な「山卸し」という作業を廃止して、酒母造りが出来るようになりました。「山卸し」を「廃止」で「山廃」酛と呼ばれています。
特徴…力強い味わい、酸度も高い。

速醸酛造り

さらに技術が進歩(明治43年に考案)し、乳酸菌を増殖させる作業を省き、高純度で優良な乳酸をあらかじめ使い、お酒を醸造させる。生酛や山廃酛の半分、約2週間で醸造できる。
特徴…サッパリとした味わい淡麗系のものが多い。

 

醸造元/秋鹿酒造 有限会社
精米歩合/70%
使用米/八反錦(広島県産)100%
アルコール度数/17度
日本酒度/+10

商品名/秋鹿八反錦70 純米槽搾直汲

 

日置桜 八割搗き雄町 濁酒

まず、「八割搗き」とは日本酒の世界では、お米を80%削るのでは無く、逆の20%削る事です。でもって、お米を削れば削るほど、美味しいお酒になるのですが、技術はもちろん、高級価格になります。

つまり「八割搗き」こと精米歩合20%はほとんど削らずに美味しくしようとする蔵元さんのチャレンジ精神に感激します。それではそれに応えるためにこちらも冷酒でチャレンジしてみます。*ちなみにこのお酒の美味しく飲める温度は「冷や」か「燗酒」を推奨しています。が、あえて冷酒です。

本当なら混ぜていない上澄み部分のみを試してみたかったのですが、残念ながら最後の一杯だったので逆に通常より濃厚な味になる事でしょう。

濁酒と銘打っているだけあって白濁してます。香りは余り感じない。飲み口は甘みも感じるが、その後からすぐに酸味がやって来ます。酸味が濃厚です。かなりのキレを感じます。が、飲み終わりに雑味も含まれています。これはたしかに常温か燗が合いそうです。が、この雑味も味の余韻としては記憶に残るものなので、個人的には結構好きである。このざらざら感を残しながら肴を楽しむのも一考。料理がよりいっそう旨く感じる事でしょう。

こう言うお酒は燗にすると旨みが膨らみ、酸もキレてシュワシュワ感が楽しめるのかも!

醸造元/有限会社 山根酒造場
精米歩合/80%
使用米/雄町(鳥取県産)100%
アルコール度数/15度
日本酒度/+16.5

商品名/日置桜 八割搗き雄町 濁酒

人事を尽くして天明を待つ!

槽しぼり純米本生 天明-てんめい-

これが「ひやおろし」なのか?バナナじゃないのか?!

16年収穫米で、冷温貯蔵。17年7月出荷。となればもう「ひやおろし」と言うしかない。でもひやおろし感が全くない。一言で言えば「バナナジュース」である。一体どうやったら、ひやおろしをこれだけフルーティーに仕上げられるのだろう。舌がおかしくなったのか、ミラクルフルーツをかじっていたのか。確認のために、お店のマスターに確認してみると、「バナナ」の風味があるね!との事。もっとゆっくり深く味わえば、芳醇だったのかも、コクとか、米の旨みを味わえたかもしれませんが、もう「バナナ」です。ある意味熟成したバナナと言えば良いのかもしれない。このお酒を見つけた方は是非、お試しください。

*後でネットで調べてみましたが、どこにもフルーティーなコメントがありませんでした。もう個人の感想です。と言うしかないですね。

製造者/曙酒造 合資会社
精米歩合/麹50% 掛65%
使用米/会津産五百万石(麹米50%) 会津坂下産五百万石(掛米65%)
アルコール度数/16度

商品名/槽しぼり純米本生 天明-てんめい- 〜空色の天明〜

 

◆たこと九条ネギの酢みそ和え(通常よりたっぷりバージョン)

前の週にうかがった時に、火を通して甘くなった九条ネギより、生の辛い九条ネギが大好きって話をしていたら、出してくれた。しかもかなりおまけの量だ。たこは炒めたものを冷やして置いたもの。でも柔らかくてうまい。酢みその量が半端ない。が、この自家製酢みそだけで一杯やれるぐらいいい塩梅です。九条ネギは生でなく、熱湯でさっと湯がいたものです。美味しかったぁ。

鮭ときのこの小鍋バター焼

鮭ときのこの小鍋バター焼

チャンチャン焼きと言うより、味噌も醤油も使っていないので(隠し味に入れているかもしれません)ムニエル。バターの香りが食欲をそそります。ビールじゃだめです。日本酒です。白ワインでもいいかも。

奈良の嬉長 純米酒

ひやおろし感満載。冷酒で頂いたのでノド越しにキレを感じますが、少し常温になってくると濃厚なコクがしっかりとやって来ます。常温になっても酸味がしっかりあるので、ノド越しのキレもしっかり残っています。まあひやおろしの典型的なコメントです。飲み比べれば分かると思いますが、お米の違いがちゃんと分かります。ごはんだとよく分からないのですが、日本酒になると違いがしっかり分かるのは不思議です。まあごはんの食べ比べをすれば分かるかもしれません。

 

ちなみに嬉長の字は左記の写真の字です。「嬉」の崩した字だそうです。右は七が3つです。「生長」と「嬉長」の使い分けはどうなっているのでしょうね。コンセプトとしては、生駒の長ならんとの思いから付けられた【生長】、嬉しいことが長く続くように名付けられた【嬉長】との意味があるようです。

 

 

醸造元/上田酒造 株式会社

精米歩合/70%
使用米/国産米100%(お米の表記がありませんでした)
アルコール度数/15度

商品名/嬉長 純米酒 ひやおろし

雁木があればもう何もいらない。

純米無濾過生原酒 雁木-がんぎ- ノ壱

あえて言おう。ジュースであると!
もちろん、生原酒なだけあって、しっかりした芳醇で濃厚な旨みを口に含んだ時に感じますが、酸味も十分あり、喉元を過ぎる時はすうーっと飲めてしまいまう爽快感のある造りになっている。さすが夏酒。もちろん他の雁木もあるが、どれを飲んでも美味しい。どのお酒を買えば良いのか分からない時は雁木を買っておけば良いと思います。飲み会の差し入れやプレゼントに持ってくれば間違いなく人気者です。個人的には「活性にごり発泡純米生原酒」。スパークリングワインのようなシュワシュワでいい。

ちなみに今日飲んだのは「雁木ノ壱」。「ノ弐」もあるようですが、飲んだことがありません。飲んでみたい。飲んでみたいっ。

製造者/八百新酒造 株式会社
精米歩合/60%
使用米/山田錦100%使用
アルコール度数/17度

商品名/純米無濾過生原酒 雁木-がんぎ-ノ壱

ところで雁木の意味はご存じでしょうか?

まぁ知ったところでお酒の味は変わらず美味しいのですが…。「雁木」とは、船着き場の階段のある桟橋のことを指します。そして山口県岩国市にある蔵元「八百新酒造」さんは錦川(今津川)沿いにあり、創業当初からその雁木の船着き場から日本酒の原料米を水揚げしていたそうです。その思いを込めて名付けられ、ロゴマークには上段は階段状の紋、下段は水際を表す波の紋を。この二つを合わせ「雁木」のロゴマークとしたそうです。原点に立ち帰ろうと言う思いを込めて誕生しました。

ずっと昔からあると思っていましたが、歴史は浅く平成12年に新しいスタッフによってスタートしたと言うことです。

長珍 純米60 新聞紙シリーズ

瓶詰めされた時の時事ネタがわかる日本酒

場合によっては囲碁の対戦表の時もある。もちろん愛知の新聞、中日新聞を使用。今のところ、それ以外を見たことが無い。広告欄のついた新聞で包まれたものもあるのでしょう。もしその広告が、他のお酒メーカーの広告だったらどうなるのでしょう?やっぱり返品?カラー頁のものもあるのかなぁ。酒屋で並べて置いてあったら見てみよう。*やっぱり「山中酒の店」ぐらいに行かないとないんでしょうね。

そもそも愛知で「新聞紙」と言えば「義侠-ぎきょう-」(山忠本家酒造)だったのですが、最近は長珍さんがお株を奪う勢いですね。まあ義侠の場合は普通に保護のために新聞紙で包んでいるだけで、取ると瓶に貼った義侠のラベルが出てきます。一方、長珍は新聞紙をはがすと素の瓶で、ラベルはありません。新聞紙の上から貼ったものがラベルなのです。演出目的込みのラベルって事です。成功ですね。長珍酒造さん。

うだうだ話しましたが、頂くことにしましょう。

長珍のイメージとしてあるものは、とにかく「芳醇そして濃厚」。今回はそのイメージを覆してくれるのでしょうか?……うう〜ん…「芳醇にして濃厚!!」。裏切らない!!口に含むとお米の旨みとコクがとろ〜りと押し寄せてきます。そしてノド越しにどどーんと酸味がやってきて過ぎて行きます。なかなかキレたお酒です。何か味の濃い肴を食べたくなる。【天然ひらまさ葉わさびソース】の葉わさび部分を頂く、辛さには辛さで対抗だ。

ちょっとおまち!

記憶の片隅を探り出そうとしています。
本来なら、お酒を飲んだ時に、ちょっとした出来事と一緒にお酒の味を簡単にメモしておくのですが、初めて行くお店や雰囲気重視で飲む時は、ただお酒を楽しむだけにしています。

完全に味を忘れているので、ちょっとネットのチカラを借りようと調べていると別の疑問にぶつかりました。どうも数値が違うのです。
日本酒度が+2.0や+11.0とかもあるのでまるで違うお酒なのでは?と疑問が膨らみます。蔵元の高橋酒造店のHPをのぞいてみるとたしかに「雄町純米」と「雄町純米辛口」の2種類を出荷しているとあるので、少しナットク。それではその二つのお酒の違いはどこで見分ければいいのだろうか?
もしかしたらラベルの上に貼ってる「生酒」のシール?!と思いネットで調べているとシールのあるもので+11.0がありました。しかしこのお酒は+1.0なのでそこではないようです。

もしかしたら年度の問題なのか?
今年は日本酒度+2.0で、HPで見つけたお酒は2014年度のものでしたし、これは+1.0なので今年のものではないのかもしれない…。まぁ結局解決してないのですが、そういう事にしておくかっ!そうしよう!!

製造者/合資会社 高橋酒造店
容量/1,800ml
精米歩合/58%
使用米/岡山県産 雄町100%
アルコール度数/15.5度

商品名/東北泉 雄町純米 ちょっとおまち

◆お総菜ちょこっと盛り(きんぴら風?・カブの漬物・うざく)

“ぼっち”飲みにはこういうメニューがあるとうれしいねぇ。

南方熊楠、恐るべし!

かつてあったであろうか、うまさを求めないお酒があることを。もう、挑戦としか言えない。怖いもの見たさのような日本酒です。そう、辛さを求めたお酒なのです。

味は説明できないです!とにかく喉が持って行かれます。喉ごせないです。「クゥーッ」じゃなくて「カァーーーッ」です。キレッキレのお酒。きっと味わいがあったのでしょうが、申し訳ない。見つけられませんでした。少し常温までおいて呑んでみた方が旨みが出てきたのかもしれません。今、思い出しながら書いていますが、なんかもう一度飲みたくなっています。見つけたら是非、チャレンジしてみてください。癖になるかも!!

+22.5という日本酒度と20度というアルコール度数のダブルパンチ

それもそのはず、大辛と超辛とかの表記を見たことはありますが、【極辛】は初めて。文字だけならいくらでも書けますが、この「南方」は文字通り極めてます。「+22.5」という辛口度を示す表記に隠れて、アルコール度数も「20度」あります。こっちの方が危険です。辛さにやられている間に、足腰もやられてしまいますよ!気をつけなはれやー!

注)南方にもいろんな種類のお酒がありますので、念のため。

南方熊楠(みなかたくまぐす)についてはネットで調べてみて!なんかすごい人ですからね!和歌山に旅行することがあればぜひ「南方熊楠記念館」へ足を運んでみてくださいね!

醸造元/株式会社 世界一統
精米歩合/60%
使用米/山田錦100%
アルコール度数/20度

商品名/南方-みなかた- 極辛純米 無濾過生原酒

◆枝豆と水なすのブルーチーズアンチョビ和え

アンチョビの塩加減が効いていてお酒の肴にぴったり。この組み合わせの発想の妙がすばらしい。見た目はいまいちですが…。