花泉 上げ桶直詰め 純米無濾過生原酒

「上げ桶」って何?

さぞかし神聖な桶なのかと思いきや搾ったお酒を入れるタンクのこと。まあ確かに「tank」を江戸時代から使っていたとは思えない。が、「上げ桶」を調べても出てこない。花泉酒造さんだけで使っている言葉のようです。搾ったお酒を桶に上げるって事なのでしょうね。でもまだ謎がある。「直詰め」なら上げ桶に移さずに直接、瓶詰めした方がより「直詰め」なのじゃないのかなぁ?そもそも、「直詰め」って搾り機から直接移すことじゃなくて、一度タンクに移してから瓶に詰める作業って事?…よし!この辺は気にせずに進もう!その「上げ桶直詰め」した純米無濾過生原酒ですが、もちろん、ピチピチ、シュワシュワです。おまけにフルーティ!まろやか!と言いたいが、アルコール度数が19度あるせいか、かなりの重低音ウーハーです。のど元をキュッとしてくれます。

ラベルに使用米とか日本酒度の表記が無いときはネットで調べて記載しているのですが、使用米を調べていると麹米:五百万石、掛米:タカネミノリ、四段米:ヒメノモチとあり、「四段米」ってなに?という疑問にぶち当たってしまった。米の名前を調べていただけなのに…。

四段米とは!

四段米を調べるに当たり新たな謎が出てきました。その言葉が「四段仕込み」。で、四段仕込みを調べようとすると「三段仕込み」、いや「〇段仕込み」という色んな段階の仕込みがあると言うことが分かる。(面倒くさくなりそうだ!)なのでまずは段仕込みの説明からしなくてはならない。

酒米と水で発酵させた「醪-もろみ-」を搾り日本酒は出来ます。その「醪-もろみ-」を造る工程で、その元となる酒母へ段階に分けて麹と蒸米を加えて行く作業を「段仕込み」と呼ばれるようです。*お酒を造るのに不可欠な作業なのでわざわざネーミングする必要が無いように思われますが、この段階が増えるほど、こだわりのお酒に仕上り、セールスポイントにもなるわけです。「純米吟醸十段仕込み!」となれば「どこまでこだわるねん!飲みたいわぁ〜」となる訳です。おっと話が全然進まない!

三段仕込み3つのチェックポイント!

仕込み作業は3つに分けられ、初添(はつぞえ)、仲添(なかぞえ)、留添(とめぞえ)と呼ばれます。

■初添-はつぞえ-

醪造り最初の工程。仕込みタンクに酒母を移し、少量の麹と米を加えます。発酵を進め、酵母の数を増やしていく作業です。*それぞれ掛米、掛麹と呼ばれます。このお酒で言うと掛米はタカネミノリ、麹米は五百万石となります。

■仲添-なかぞえ-

この工程では初添で加えた米と麹の2倍の量を加え、更に発酵を進めます。*初添と仲添の工程の間に「踊り」と呼ばれる環境に慣らすため、何も加えないで様子を見るだけの日程が存在します。「どう?もうちょっと踊るか?」「いや、まだまだ踊りまくるぜ!まじ卍!」と言うやり取りがあるのだろうか!

■留添-とめぞえ-

仕込みの最終段階のこと。ここでは仲添の更にドン!の2倍!(巨泉のクイズダービー♬)の麹と蒸米と仕込水を投入。この時点で醪は発酵が進んで、20〜25倍ぐらいの容積になってるそうです。この後は温度が上がり過ぎないようタンクの温度調節をしながら発酵をしていきます。3〜4週間で醪は完成。

さあ、ここまでは通常の仕込み作業工程の説明です。「う〜ん、よく分からない!」って方は他にも親切丁寧に説明しているブログもあるので、そちらでご理解してください。

■四段仕込み

基本的には「おまけ」です。もうすでに三段で完成はしているのですが、蔵元が出来上がったものに日本酒度(甘辛度)の微調整をするためのものと思っておいていいでしょう。このお酒で言えば「ヒメノモチ」と呼ばれるもち米を使用し甘みを引き出しているようです。

製造者/花泉酒造 合名会社
精米歩合/65%
使用米/五百万石・タカネミノリ?・ヒメノモチ?
アルコール度数/19度
日本酒度/非表示
酸度/非表示

商品名/花泉 上げ桶直詰め 純米無濾過生原酒

 

◆和牛すじ煮込 玉子落とし

すき焼き風です。甘辛のたれで見た目めっちゃ濃そうですが、意外とあっさり味。白身部分を取ってくれていますが、個人的には入っていても全然オッケーです。どうせ取るならヌルッとしたひもみたいな部分も取って欲しい。個人的には気にしないのですけどね ♫ このヌルッとしたヒモみたいなものは「カラザ」と呼ばれる部分で卵黄部分を外部からの衝撃から守る役割があるそうです。だから、箸とかでなかなか取れない!お店などではわざわざ取るようですが、この「カラザ」には最近の研究で抗がん物質が含まれていることが実証されているそうです。出来れば取り除かずにそのままいただこう!

会津娘 純米吟醸 花さくら

春はやっぱり絞りたて「うすにごり」ですね。この花さくらは「瓶燗急冷」方式で一回火入れされた純米吟醸うすにごりです。最近、この方法で造る蔵が増えているそうです。しぼりたてのプチプチした爽やかさと火入れによる落ち着いた口当たりが上品さを醸し出した仕上がりになっています。火入れをしているのにプチプチ感が楽しめるなんてちょっと感激。春らしいみずみずしい味わいで、口の中はもう桜満開です。

瓶燗急冷とは…

本来大量の醸造されたお酒を蛇管(じゃかん)と呼ばれるらせん状の管に通し、火入れ(加熱)し、すぐに急冷することで殺菌処理をするのが一般的なのですが、それをいきなり瓶に小分けにして熱湯処理をする製法の事。瓶で火入れすることはタンクなどの大きな場所も機材も必要なくコストの削減になる。もちろん温度管理技術が向上したおかげで出来る製法であることに違いは無いのでしょう。

*火入れとは搾ったお酒を加熱して、火落菌(ひおちきん)と呼ばれる貯蔵中のお酒を白く濁らしたり、味の劣化を招く乳酸菌を殺菌するための製法。お酒の劣化を出来るだけ防ぎ、お酒本来の味わいを楽しめる利点があります。*火入れを行わないお酒を「生酒」と呼びます。

醸造元/高橋庄作謹醸
精米歩合/50%
使用米/会津産五百万石100%
アルコール度数/16度
日本酒度/ー1〜0
酸度/1.5

商品名/会津娘 純米吟醸 花さくら

会津娘 純米生酒 うすにごり「雪がすみの郷」

昔から愛された霞の様なお酒。
冬の厳しい会津の野山も
雪解けの霞につつまれて
春はもうすぐそこまで・・・。

「土産土法の酒造り」

会津若松市の南に位置する門田町一ノ堰にある蔵元「高橋庄作酒造」さん。その土地の人がその土地の手法でその土地のお米と水から造りあげることをモットーに、「五百万石」を鯉や紙マルチを使い、無農薬で栽培するなど、お酒だけでなく原料にもこだわりを見せています。

紙マルチとは…田んぼに紙(段ボールなど)を敷いた上から苗を植え、稲だけに太陽光を当て雑草の成長を抑えて成長させる方法。

鯉農法とは…田んぼを泳ぐ錦鯉が土を攪拌し、有機肥料の栄養素と酸素を稲に行き渡らせる、農薬・化学肥料を使用しない土地の持つ特性を引き出す土壌作りの農法。

毎年、新年に限定発売される「会津娘 雪がすみの郷 うすにごり」しぼりたてをタンクに移さず、そのまま瓶詰めされる純米生酒。飲み口はフレッシュで爽やかながらもやさしい味わい。シュワシュワ微発泡はしていないが、ピチピチ感は感じます。う〜ん、いわゆる「ジュース」です。「フレッシュジュース」です。

製造者/髙橋庄作謹醸
精米歩合/55%
使用米/会津産酒造好適米 夢の香+五百万石
アルコール度数/15度
日本酒度/+1.0
酸度/1.4

商品名/会津娘 純米生酒 雪がすみの郷

◆しいたけしろねぎとりそぼろたまご

魔法の言葉再び!改めて呪文の効果を伝えておこう。鉄鍋で椎茸と白ネギと鶏そぼろに火を通し最後に上等な卵をのせた、もうほとんどすき焼きと言っていい美味しいものが頂ける呪文ことです。以前は白身部分もあったのですが、今回は黄身オンリーになりました。今回もご飯は無く、「おじや」に出来なかった。*すき焼きではなく、すき焼き風なので味付けは日本酒にも合わせられるようにアッサリに仕上がっております。

生で責めろ!天明 SEMEBLEND

醪を搾る行程を三つに分けて表されます。最初にほとんど搾らずに出てくるものを「あらばしり」、次に搾り機を使ってお酒の一番良い部分を搾ったものを「中取り又は中汲み」、最後に中取りで搾られたあとの部分を「責め」と読んでいます。その「責め」部分をブレンドして生み出されたお酒が「SEMEBLEND」

本来、「責め」部分のみのお酒は出回る事は無く、同じ酒米の醪から出来た「あらばしり」「中取り」「責め」を調整ブレンドして、酒質を均一化し、バランスの良いお酒にするのが正攻法なのですが、これはすごい!色んな酒米のしかも純吟クラスの精米歩合のお酒を「責め」部分だけで構成されている。しかも「夢の香40%の純米大吟醸」って!やるな!天明。いや曙酒造!お燗が好きな方はぜひ、温めて楽しんでみて下さい。ただ、一度は冷酒で飲んでも見て欲しい。さすがは「責め」だけを集めただけの事はあります。

ドライでビターな味わいを楽しめます。が、旨味もしっかり出ている。辛口になるのかなぁと思っていたら意外と柔らかい口当たり。燗でいただくとさらにまろやかな口当たりになるとの事。(飲んでないので、人づてです。)とにかく、意外なおいしさにびっくりです。責めでもこれだけ搾ると美味しくなってしまうのか!(*でも次は「責めっぽい責め」のお酒も飲んでみたい!)

コメント紹介。

凍てつく寒さ、降り積もる雪。時々、照らす太陽の暖かい陽射し。本格的に冬めく、会津の冬。生セメとは、そんな短い季節を楽しむキーワード。中取りシリーズ前半の各セメ(瑞穂黄金65・五百万石60・美山錦55)そして今期は、12月に搾った、純米大吟醸(夢の香40)のセメを貯蔵・テイスティングいたしました。酒質と向かい合い、寒さが深まる季節に思いをはせ、温めて楽しむ事も考えながらブレンドいたしました。←との事。ブレンド比率が乗っていたので紹介しておきます。瑞穂黄金65が3割。五百万石60が3割。美山錦55が2割。夢の香40が2割。←やはり夢の香純米大吟醸の効果がでているのだろうか!?

 

醸造元/曙酒造 合資会社
精米歩合/65%
使用米/会津産瑞穂黄金65・五百万石60・美山錦55・夢の香40
アルコール度数/16度
日本酒度/+1.0
酸度/1.5

商品名/天明 冬めく生セメ SEMEBLEND

 

◆昆布さば焼きとロースハムのシザーサラダ

昆布さばとは昆布だし醤油酒に漬け込んだものを干すことで旨味が凝縮されたさばです。決してそういう名前のさばではありません。それを焼く事で、昆布だしの香りと凝縮したさばの旨味が味わえます。

会津中将 生純米原酒

カテゴリーというものがある。そのモノがどの枠に当てはまるのかをわかりやすく仕分けるためのもの。「無濾過生原酒」というカテゴリーを作るとする。すると後々から「無濾過原酒」と言うものが出てくる。「生」じゃないものだ。仕方ないので「無濾過生酒」のカテゴリーも作る。しばらくすると無濾過じゃない「生原酒」ってのが出てきた。あーこんな事になるなら最初に「無濾過」と「生原酒」を分けて置くんだったと後悔するが後の祭り。仕方ないので「無濾過生原酒」があるが「無濾過」「生原酒」もカテゴリーになる。どんどんカテゴリーが増えてくる。分ける意味があるのかすら分からなく。

カテゴリー泣かせの会津中将

そして「会津中将-生純米原酒」←なぜ「生」と「原酒」の間に「純米」を入れるのか!何かこだわりがあるのか!単純によそと同じにしたくないだけの意地悪なのか!今、無限カテゴリー地獄に陥っている。さすがにこれは「無濾過生原酒」のカテゴリーに入れてもいいよね!ね!「会津中将-純米-無濾過生原酒」でいいよね!だらだらと愚痴を書いてしまいました。申し訳ない。そろそろ頂くとしましょう。「美味しい」ってカテゴリーがあれば間違いなく入っている。

初しぼり新酒らしくフレッシュで柑橘香が良い!うすにごりですがシュワシュワはしておらず、「ザ・バランス」と言って良い甘み旨み酸味バランスが抜群。飲んだ後の酸もキレがあってスッキリ!「会津中将」は通常のものを飲んでもハズレが無い。注文をつけるとしたら、これを置くなら肴も美味しいものを食べさせて欲しい。

醸造元/鶴の江酒造 株式会社
精米歩合/60%
使用米/五百万石100%
日本酒度/+2.0
酸度/1.8
アルコール度数/17度

商品名/会津中将 生純米原酒 無濾過初しぼり

飛露喜-ひろき- 純米吟醸

エンジ色のラベルにシンプルに白で抜いた「山田穂」の文字。山田穂とはかつて幻の酒米と呼ばれていたお米で、山田錦の母親にあたる酒造好適米。背が高く育てにくいとされている山田錦よりも更に背が高く、倒れやすいことから栽培しづらいという理由で姿を消した酒米「山田穂」でしたが、2013年(不確かです)に飛露喜から「山田穂-純米吟酒」が新たに醸造されました。そして2017年も旨さに磨きがかかっているのか!頂きましょう!!

今年の山田穂は味わいを受け継いでいる山田錦同様、フルーティな香りと特有の酸味が口の中に香る日本酒です。少し、いや、かなり(上品ではあるが…)甘みが口に広がります。肴を選ぶお酒です。バーなどでロックで飲む方が雰囲気が合ってそう。

さてここから、ご用とお急ぎで無い方は、少し愚痴を聞いて下さい。僕はこのお酒を飲み屋さんで、一合弱(160ml)を800円程で美味しく頂いたのですが、ネットで販売価格を見て愕然としました。安いところでも15,000円(税別+配送料)はしているのですよ!高いところだと30,000円(税別+配送料)とかもあるのです。某オークションでは最初の設定価格がすでに13,000円になっていたりする。ぼったくりにも程がある。

こういうのが日本酒人気の足を引っ張るんでしょうね!蔵元さんもこんな値段で飲んでほしいとは思っていない。いくら幻の酒米と言っても卸価格は5,000円も超えていないでしょう。かといって15,000円を出す人がいる限りネットでは稀少なものはどんどん値がつり上がっていくのでしょうね。本当にイライラする。せめてネット販売の表記に定価の表記の義務付けは出来ないものか!

なのでみなさま、せめて日本酒の購入は大手ネットショッピングからでなく酒屋さん、小売店がやっているHPからの購入をお勧めします。まだましです!あと蔵元の直営販売とかもあるのでそちらから!!ほんとに!

醸造元/廣木酒造本店 合資会社
精米歩合/50%
使用米/山田錦84% 山田穂16%
アルコール度数/16度
日本酒度/+4

商品名/飛露喜 純米吟醸 山田穂

焼しいたけ-ポン酢添え-

うましっ!ぷくぷくした肉厚の採りたてしいたけを炭火で焼くだけ!傘を下にして焼く。いい頃合いで傘の部分から水分がじゅわじゅわ出てきます。塩こしょう少々で、出来上がり。皿に盛りつけ、花かつおをちりばめる。その上からポン酢をかけるのですが、ポン酢は横に添えておいてほしい!と少しわがままを聞いてもらう。なぜならせっかくふわふわに焼けているのにポン酢を上からかけてしまうと、しんなりしてしまうからです。なので、食べるときにちょっとつけて食べる方がふわふわのまま食べれるのです。良いしいたけの時はぜひ、真似してみて下さい。

もう、うましっ!としか表現できないのですが、ポン酢なしでも全然食べれるウマさ。しっかりした歯ごたえと…う〜ん、たとえが思いつかない。ボキャブラリーが貧しくて申し訳ない。うまいもんはうまい!としか言えない。

寫樂-しゃらく-  純米吟醸 なごしざけ 一回火入れ

飲む前に「なごしざけ」って何?ってなりますよね?これ漢字で書くとすぐに気がつけるのですが「夏越し酒」。そう、ひと夏を越えて出来たお酒で火入れが一回だけ。と言えば「ひやおろし」って事です。本当にいろんな表現方法を思い付くもんです。素晴らしい!

お酒のお味の方はと言うと、それほど「ひやおろし」感は無い。まあひやおろしじゃなくて「なごしざけ」ですから、「なごしざけ」感がある!と言えばいいのでしょうか?香りは少々、口に含んだときに果実香。芳醇さは抑えられている、これは美味い。フレッシュ感があると言ってもいい。飛び抜けてグッと来るものはないが、バランスがいいからなのでしょう!アルコール度数も控えめなので、グビグビ行けてしまう。ちなみに肴は上記の「焼きしいたけポン酢添え」とデンジャラスな「わた持ち丸干いか焼き」日本酒がすすむ君です。←コイツのせいでもう一杯飲む羽目に♬エヘッ

 

醸造元/宮泉銘醸 株式会社
精米歩合/50%
使用米/山形県産羽州誉100%
アルコール度数/16度

商品名/寫樂 純米吟醸なごしざけ 一回火入れ

 


おまけ。

◆コイケヤプライドポテト-柚子香るぶどう山椒-

お店のバイトの娘が持っていたまかない、いや単なるおやつ。お裾分けしてもらう。なんだこれはっ!めっちゃ美味しいやん。おまけに日本酒に合う。(ビールでもOK!)まさに、柚子が香るブドウ山椒味なのです。で、ちょっと恥ずかしい話なのですが、てっきり柚子とぶどうと山椒が入っているもんだと思い、「柚子、山椒と一緒にぶどうの香りもするわぁ〜」などとぶどうの香りを楽しんでいたのですが、「ぶどう山椒」という品種の山椒だったのです。こっぱずかしーっ!!

この「ぶどう山椒」って後で調べたのですが、本当にぶどうのふさのように生っているんですよね!粒もぶどうサイズででかい!改めて、このプライドポテトは美味しいです。ネーミングもいい♬。今のところ5種類あるそうですね。ほかのもチャレンジしてみたいっ。*湖池屋PRIDO POTETOのHPもめっちゃ凝ってますよ!湖池屋のプライドを見た。

 

飛露喜-ひろき- 特別純米 生詰

感動の一言に尽きる

驚いた。まさかこの時期にこの味に出会えるなんて!なにしろこの季節、「ひやおろし」が幅を利かせいるので、熟成、芳醇、などのキーワードのお酒ばかりを飲んでいる。それがどうですか!新米の新酒のような味なのですよ!

シュワシュワで、辛口。フレッシュ感たっぷり、ノド越しキレキレ。米の甘み旨みもたっぷり感じるが、芳醇ではない。そう、芳醇ではないのだよ!涙。嬉しー。美味しー。しかも純米酒ですよ!純米吟醸や無濾過生原酒とかでも何でも無いやつでこんだけ美味しいなんて。まさしく特別純米です。

四季醸造の進化

それは廣木酒造さんの通年商品であるからです。安定した技術と設備が整っている蔵元さんだから出来る事なのです。本来、四季醸造とは春夏秋冬、その季節に合わせた酒造りをする事でした。が、近年では単純に、一年中酒造りが行われることを指すようです。四季醸造で有名どころは旭酒造さんの「獺祭-だっさい-」や、奈良の油長酒造の「風の森」なども有名ですね。美味しいですね。

江戸初期までの「四季醸造」

新酒(しんしゅ)
前年に収穫した古米で旧暦の八月(今の9月頃)に造るお酒。
間酒(あいしゅ)
初秋に造るお酒。9月下旬の残暑が厳しい季節ですが、乳酸菌の発酵が容易だったなどのメリット。ただ臭いはすごかったらしい。もちろん古米。
寒前酒(かんまえさけ)
晩秋に造るお酒。いわゆる新酒と呼ばれているもの。今年獲れたお米で造り、11月下旬から12月にかけて卸されるお酒。フレッシュ感のあるお酒が主流。
寒酒(かんしゅ)
冬場に造るお酒。今の主流の造り方。
春酒(はるざけ)
春先に造る酒。気候が暖かくなっているので、浸漬(米を水に浸す)する時間を短くすることが出来た。発酵の進み具合の調節に工夫がいたようです。

幕府は米相場や食糧事情により酒造統制で寒酒以外を規制した。米が余り始めると、再び規制緩和し、「勝手造りの令」などによって四季醸造を解禁した。(いつの時代も政府はいい加減なもんです。)その後、いろいろあり、蔵元は不安定な四季醸造は造らなくなり、良いお酒が出来る「寒酒」造りだけが残ることになります。

こうして四季醸造は途絶えてしまいます。そして昭和の工業技術進歩により再び違う形で四季醸造は復活するのです。

そして昭和からの「四季醸造」

一年を通して季節ごとの特徴を活かした酒造りを行うことから、現在は一年を通して同じクオリティーのお酒を造ることを「四季醸造」と呼ぶようになりました。それを可能にしたのが「空調設備」です。外気温に影響されない低温の温度管理を一年通してできれば、冬と同じ環境の酒造りと酒米の管理が可能になります。「四季醸造」がこれからの近代日本酒造りの主流になるかもしれませんね。

そして季節はめぐる。

では、本当に一年中、同じお酒が出回るのかと言うと、そうでもないのです。春夏秋冬と季節の「旬」を愛でる気持ちは無くなりません。だから春には春の、夏には夏のお酒を求め、造られるものです。秋にはひやおろし。そして冬には新米の新酒で新しいお酒が出来たことを祝うのです。蔵元の努力と工夫でお酒の「旬」を造り出します。ほんとうの「四季醸造」とはそういうものなのかもしれません。

醸造元/合資会社 廣木酒造本店
精米歩合/55%
使用米/国産米100%
アルコール度数/16度

商品名/飛露喜 特別純米

人事を尽くして天明を待つ!

槽しぼり純米本生 天明-てんめい-

これが「ひやおろし」なのか?バナナじゃないのか?!

16年収穫米で、冷温貯蔵。17年7月出荷。となればもう「ひやおろし」と言うしかない。でもひやおろし感が全くない。一言で言えば「バナナジュース」である。一体どうやったら、ひやおろしをこれだけフルーティーに仕上げられるのだろう。舌がおかしくなったのか、ミラクルフルーツをかじっていたのか。確認のために、お店のマスターに確認してみると、「バナナ」の風味があるね!との事。もっとゆっくり深く味わえば、芳醇だったのかも、コクとか、米の旨みを味わえたかもしれませんが、もう「バナナ」です。ある意味熟成したバナナと言えば良いのかもしれない。このお酒を見つけた方は是非、お試しください。

*後でネットで調べてみましたが、どこにもフルーティーなコメントがありませんでした。もう個人の感想です。と言うしかないですね。

製造者/曙酒造 合資会社
精米歩合/麹50% 掛65%
使用米/会津産五百万石(麹米50%) 会津坂下産五百万石(掛米65%)
アルコール度数/16度

商品名/槽しぼり純米本生 天明-てんめい- 〜空色の天明〜

 

◆たこと九条ネギの酢みそ和え(通常よりたっぷりバージョン)

前の週にうかがった時に、火を通して甘くなった九条ネギより、生の辛い九条ネギが大好きって話をしていたら、出してくれた。しかもかなりおまけの量だ。たこは炒めたものを冷やして置いたもの。でも柔らかくてうまい。酢みその量が半端ない。が、この自家製酢みそだけで一杯やれるぐらいいい塩梅です。九条ネギは生でなく、熱湯でさっと湯がいたものです。美味しかったぁ。